香川県綾川町の中学1年パキスタン国籍男子生徒が、中学校の同級生からいじめを受け重症を負ったとして男子生徒の両親が香川県警高松西署に傷害容疑で生徒1人を告訴した。

昨春以降、同級生ら4人から人種差別的な暴言によるいじめも続いているという。
綾川町教育委員会は「いじめはなかった」と否定。
両親と学校側の主張は真っ向から対立。

今後の再調査について校長は「当事者だけでなく、周辺の生徒も含めた聞き取り調査と全校生徒へのアンケート調査を今週中に行う」とした。





傷害:「いじめで重傷」告訴 パキスタン籍の中1両親−−香川

 香川県中部の町立中学校に通うパキスタン国籍の1年男子生徒(13)が同級生からの暴行で重傷を負ったとして、男子生徒の両親が18日、傷害容疑で県警に告訴した。昨春以降、同級生ら4人から人種差別的な暴言によるいじめも続いているといい、両親は同日、町教育委員会に調査と再発防止を申し入れた。町教委側は「いじめはなかった」と否定している。

 記者会見した両親らによると、男子生徒は昨年4月の入学直後から同級生4人に肌の色の違いを言われ「汚い」「国へ帰れ」など人種差別的な発言をされ、足を蹴られるなどの暴行も繰り返し受けたという。昨年11月には、校内の廊下を走っていて4人のうち1人に足を掛けられ転倒。足や顔などに重傷を負ったという。男子生徒は今も松葉づえで登下校している。父親(41)は「担任や教頭に何度も改善を訴えたがかなわなかった」と話している。

毎日新聞 2013年02月19日 東京朝刊



両親と学校 主張対立・・・外国人生徒いじめ告訴

 県内の公立中学校に通うパキスタン人の1年男子生徒(13)が同級生からいじめを受け、重傷を負ったとして、両親が県警に告訴状を提出した18日、両親と学校側がそれぞれ記者会見した。両親は「いじめを防ぐように学校側に何度も訴えたが、適切に対応してもらえなかった」と主張したが、学校側は「いじめとは認識していない」との見解を示し、主張は真っ向から対立している。

 この日午前10時半頃、両親は弁護士2人とともに、校区の警察署を訪れ、告訴状を提出。その後すぐに中学校を所管する地元教育委員会を訪れ、教育長と面会した。

 弁護士が、いじめについて調査を求める申し入れ書を手渡し、両親は「いじめは現在も続いている。すぐに止めてほしい」と直接訴えた。

 両親は午後に高松市内で記者会見。父親(41)は、松葉づえ姿の生徒の写真を示し「パキスタンの学校では、外国人の生徒も兄弟のように大事にする。息子は日本で勉強できるのを楽しみにしていた。今も学校は大好き。親として心が痛む」と話した。

 一方、中学校長と教育長は、午後4時半から記者会見。教育長は、生徒が11月に転倒させられ負傷したことについて「申し訳なかった」と陳謝した。

 校長は、いじめの有無について再調査する方針を示しながらも「(転倒させた)生徒と保護者は、学校の仲介で(パキスタン人の)親子に会い、謝罪している。いじめではないと判断している」と強調。教育長も「学校の対応に誤りはなかった」と述べた。

 県教委義務教育課は「学校の再調査を注視したい」としている。

◇校長と教育長「加害生徒指導した」

 校長と教育長の記者会見での主なやり取りは次の通り。

 ――いじめの事実はあったのか。

 校長「日本語が話せず、入学当時はちょっかいを出されることはあったが、これまでの調査で、いじめの事実は確認していない。毎学期行っている全校生徒対象のアンケート調査でも、この生徒へのいじめは報告されていない」

 ――からかわれたり、けがをしたりしたことへの対応は十分だったか。

 校長「トラブルがあった直後に加害生徒に指導し、その保護者にも連絡している。(11月の負傷についても)加害生徒側は親子で謝罪した。学校側で取り得る対応はしてきた」

 教育長「トラブルの都度、報告を受けており、現時点で学校の対応は間違っていなかったと考えている」

 ――今後の再調査は。

 校長「申し入れ書の内容は、こちらで把握している事実とかなり違う。当事者だけでなく、周辺の生徒も含めた聞き取り調査と全校生徒へのアンケート調査を今週中に行う」

(2013年2月19日 読売新聞)



パキスタン籍の中学生“いじめ”で刑事告訴

 香川・綾川町の中学校に通うパキスタン国籍の男子生徒が去年11月、同級生からのいじめで大ケガをさせられたとして、両親が18日、刑事告訴した。

 告訴状などによると、男子生徒は綾川町の中学校で去年11月28日、廊下を小走りで通行していた際、同級生の一人に足をかけられて転倒し、前歯や左太ももに大ケガをして松葉づえが必要な状態になったという。

 両親によると、男子生徒は去年4月にパキスタンから町内の中学校に入学して以来、同級生ら数人から「出て行け」や「国へ帰れ」と言われたり、顔に雑巾を投げられたりしたという。男子生徒は今も学校へ通っているが、両親らは「度重なる一連の行為は、集団いじめにあたる」と主張した上で、町教委に対し、学校側に適切な指導といじめをやめさせるよう申し入れを行った。

 町教委と学校側は「日常的ないじめは確認されていない」と反論しているが、より真摯(しんし)に対応するために今後、アンケートなどを用いた調査を実施するとしている。

2013年2月18日 21:35 日テレNEWS24



中1パキスタン人男子生徒「いじめで大けが」 香川県警に告訴

 同学年の男子生徒から暴行され大けがを負うなど継続的ないじめを受けているとして、香川県綾川町在住の中学1年のパキスタン人男子生徒(13)の両親が18日、県警高松西署に傷害容疑で生徒1人を告訴した。町教育委員会に対してもいじめ調査と、関与したとされる複数の生徒への指導を求める申入書を出した。

 高松市内で記者会見した父親(41)らによると、生徒は昨年3月に母親らと来日。日本語が理解できず、4月の入学直後から同級生の男子生徒3人に日本語や英語で「国へ帰れ」などの暴言を吐かれ、5月には足を蹴られるなどの暴行を受けた。父親が何度も学校に相談したが、改善されなかったという。

 11月には、廊下を小走りで移動していたところ、別のクラスの男子生徒に足をかけられて転倒、左足などに大けがを負ったという。

 父親は「息子は『いじめが怖い』と話している。いじめが広がる前に解決してほしい」と訴えた。

 会見した中学の校長は「子供たちのふざけあいや偶発的な事故と把握していた。申入書を真(しん)摯(し)に受け止め対応したい」と調査することを明らかにした。

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いじめの調査と防止を求めた申入書を杉村教育長に手渡すパキスタン人生徒の両親の代理人弁護士=香川県綾川町

2013.2.18 21:02 産経ニュース



パキスタン生徒いじめ:第三者機関の調査求める文書を郵送 /香川

 県中部の町立中に通うパキスタン国籍の男子生徒が同級生から暴行などを受けていたとして両親が県警に告訴した問題で、生徒側の弁護士が20日、町や町教委にいじめの調査を第三者機関で行うよう求め、文書を郵送した。

 生徒を巡っては、18日に両親が町教委に対し、同級生の暴行や人種差別的な暴言などの調査と再発防止を申し入れた。町教委は「暴行は継続的なものではなく、いじめはなかった」と否定している。

 弁護士は「いじめを否定する立場にある学校や町教委が調査しても、客観性を欠き全容解明できない恐れがある」と指摘。また、調査結果を生徒と両親に開示することも求めている。

 町教委学校教育課は同級生らに対する聞き取り調査を行うとしているが、「調査を第三者で実施するか否か、答えられない」としている。

毎日新聞 2013年02月21日 地方版

2013年2月22日 追記



いじめ問題で保護者説明会/中讃の中学校

 中讃の中学校に通うパキスタン国籍の男子生徒(13)の両親が「息子が学校でいじめを受け、けがをした」と訴えている問題で、同校は22日夜、全学年の保護者を対象にした説明会を体育館で開き、男子生徒がけがを負った経緯や学校側の対応などを説明した。

 保護者の要請を受けて実施。非公開で行われた会には約220人が出席し、教育長と学校長が説明した。

 教委によると、会では経緯説明の後、4人の保護者から質問が寄せられたが、トラブルはなく約30分で終了した。中には、受験への影響を心配する声もあったという。

 出席した1年生の保護者は「大人のけんかに子どもが巻き込まれている印象。大事な受験の時期でもあり、落ち着いた環境で学校生活が送れるようにしてほしい」と話した。

2013/02/23 09:51 四国新聞社

2013年2月23日 追記